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思い込みを捨てるとき

人は、誰かを思うとき、好意的だとしても、否定的だとしても、思い込みによって
その存在をイメージします。

仕事の作業がゆっくりしている人を見れば、動きがのろく仕事が出来ない人、
引っ込み思案の人ならば、輪に入れずコミュニケーション下手、というように、
輪郭だけを捉えてすぐに答えを出してしまいがちです。

しかし、人間はそんなに単純な生き物ではありません。
簡単に表面上をなぞって理解できるものではないのです。

すぐに目に付く表の面以外に、私たちはたくさんの面を持っているのです。
普段かくされている裏の面、角度を変えないと気がつかない左右の面、そして真上から見える部分と、真下から見える形はまったく違うものとなります。
同じ人間でも、見る方向を変えるだけで、別人のような表情を持つ場合があるのです。
そして、この多面性は、多かれ少なかれ人間なら誰しも持っているものなのです。

ですから、勝手な思い込みで作り上げたイメージを崩したからといって、すぐさま相手を批判し始めることこそ、おかしな行為なのです。

あの人には裏切られた…と感じる人は、自分の見方を見直してみてください。
視野が狭くなってはいませんか?

まっすぐなものの捉え方ができるようになりたいと願う人は多いことでしょう。
これは純粋な心で相手を見ること、
人に対して疑う心を持たないことです。
これらは視点を狭めていては出来ないことなのです。

私は美大生のころ、授業で先生にいわれた一言にハッとしたことがあります。
「夢中になって描いているときこそ、あえて席を立って遠くからものの形を見直すこと」

リアルに描写しよう思えば思うほど、細かい部分にとらわれ過ぎて、視点が狭まっていき、本来の形からずれが生じてくる場合が多いのです。
確かに、改めてそのもの全体を見てみると、描いた形が狂っていたことに気がつくのです。

つまり、正確に捉えようと思えば思うほど、気がつかないうちに、思い込みで形を作りがちだということです。

誰かに対して一方的なイメージを作りすぎているかもしれない、と感じたときには
一旦、その場所から離れて見てみてください。

海の透明さに感動して、その中に沈んでいる貝やサンゴ、砂の美しさを感じ取ることも大事ですが、それだけで、海を判断してしまうのは片手落ちなのです。

Chie

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